初めての一人暮らしで気をつけたい物件選びのポイント
1. 家賃・収支のバランスを見極める:手取り収入と家賃の目安
初めての一人暮らしでは、「この家賃、本当に無理なく払えるだろうか?」という疑問が頭をよぎるものです。住まい探しを始める前に、収入と家賃のバランスをきちんと考えることで、安心して暮らせる生活基盤を築くことができます。
●「手取り収入」に対する家賃の目安
家賃の目安としてよく言われるのが、手取り収入の25〜30%程度に抑えること。例えば、手取り月収が20万円なら家賃は5万円前後、手取り30万円なら9万円程度が目安です。
これには理由があります。家賃を収入の3割以上にしてしまうと、食費・光熱費・通信費・交際費・貯金など、その他の支出が圧迫され、生活の質や将来の備えに影響が出るからです。
●なぜこの割合が重要?
一人暮らしの場合、家賃以外にも毎月さまざまな費用が発生します。食費・水道光熱費・通信費・交通費・日用品など、「住むための固定的な支出」が出ていく中で、残った金額が“自由に使えるお金”となります。
仮に手取り20万円で家賃が10万円だった場合、生活費や貯金に充てられる金額は10万円。これで生活が成り立つかを冷静に考える必要があります。逆に家賃を手取りの20〜25%に抑えられれば、ひと月の余裕が生まれ、貯金や趣味にも使いやすくなります。
●家賃以外の支出も考慮しておこう
家賃が収支バランスの土台なら、続いて考えるべきは「その他の固定費」です。
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管理費・共益費…賃貸物件では月額数千円が別途かかることも。
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光熱費・通信費・交通費…毎月変動する項目で、引越し先の条件によって差があります。
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貯蓄・予備費…万一の出費や将来のために、手取りの15〜20%を目安に確保するという考え方もあります。
「家賃は適正内でも、他の支出を見落としてトータルで厳しい」状況を防ぐためにも、家探しの前に自分の支出を棚卸し、収入から何にどれだけ使っているかを把握しておくことが大切です。
●立地や設備条件で家賃を左右するなら、優先順位をつけて
家賃を抑えつつも快適に暮らしたいなら、駅からの距離・築年数・間取り・設備などを見比べることが大切です。例えば、駅徒歩5分と15分、バス利用で家賃が異なるケースや、新築・築浅か築古かで差が出る場合があります。
もし「どうしても駅近が良い」「新築がいい」という強いこだわりがあるなら、家賃の割合が少し高めになっても、その他の支出を節約できる方法を組み立てましょう。
●まとめ:収支バランスを基点に物件選びを
初めての一人暮らしでは、「住みたい場所・設備」も大切ですが、収入と家賃の関係を見誤らないことが暮らしの安心につながります。手取り収入の25〜30%前後を家賃の目安とし、家賃以外の支出も含めた資金計画を立てることで、長く快適に暮らせる住まい選びが可能になります。まずは、自分の収入・支出の“今”を整理して、無理のない家賃基準を目指しましょう。
2. 立地・アクセス・帰宅の安心感を重視する
初めての一人暮らしでは「どこに住むか」が、生活の満足度や安心感を大きく左右します。特に通勤・通学・買い物・帰宅時の利便性は、毎日の暮らしを左右する重要な要素です。ここでは、物件探しの際に「立地・アクセス・帰宅の安心感」を重視するためのポイントを整理します。
● 通勤・通学のアクセスを最優先に
毎日の移動がストレスになると、せっかく新しい暮らしを始めても疲れがたまりやすくなります。「駅から何分」「乗り換えがあるか」「終電まで安心か」といった項目は、実は暮らし始めてから気になることの上位に入ります。特に一人暮らしであれば、夜遅くの帰宅を想定して「駅徒歩圏」「バス便がある」「駅からのルートに街灯がある」などの条件が安心につながります。
● 周辺環境と日常の利便性
「近くにコンビニやスーパーがあるか」「薬局や医院があるか」「24時間営業の店が近くにあるか」といった、暮らしの“当たり前”を支える環境も重要です。急な体調不良や深夜の買い出しなど、一人暮らしではこうした利便性が安心感を生みます。生活導線が整っていれば、時間にも心にもゆとりが生まれます。
● 夜の帰宅・休日の安心感をチェック
「夜に帰宅するルート」「夜間の駅周辺の明るさ・人通り」「オートロックや防犯カメラがあるか」などは、特に女性・若年層の一人暮らしでは見落とせないポイントです。内見時には日中だけでなく、できれば夕方や夜にも立地を確認することが安心感を高めるために効果的です。
● “立地だけ”で妥協しないために
立地条件が優れていても、「建物の構造・状態」「階数」「遮音・防音」「採光・風通し」とのバランスを忘れてはいけません。駅近=必ず快適とは限らず、例えば線路沿いや繁華街裏手の物件では騒音や人通りが気になるケースもあります。立地と住まいの質をセットで判断しましょう。
● チェックリスト:立地・アクセス・安心感
初めての一人暮らしは、ワクワクと同時に不安もあります。だからこそ、「帰宅が安心」「日常が便利」「暮らしやすい立地」を重視して物件を選ぶことは、快適な新生活の大きな一歩となります。自分のライフスタイルを想像しながら、立地・アクセス・安心感を三本柱に物件を比較・検討してみましょう。
3. 設備・間取り・収納で快適な自分仕様をチェック
初めての一人暮らしにおいて、「設備・間取り・収納」この三本柱は、暮らしの満足度を大きく左右する重要なポイントです。実際に住み始めてから「ここが使いづらい」「物が出しっぱなしになる」など後悔しないためにも、物件選びの段階でしっかり確認しておきましょう。
● 設備:毎日使うところだからこそ重視を
まず注目したいのが水回り・空調・収納・セキュリティといった設備。例えば、バストイレ別であること、洗面台・独立洗面所があること、さらにエアコン・インターネット回線付きなど条件を揃えると、暮らしの快適性がぐっと高まります。
また、キッチンの広さ・作業スペースもポイント。料理を楽しみたい人なら、流し台の奥行や食器棚スペースがあるか、冷蔵庫や電子レンジの配置も意識しておきましょう。
設備ひとつで「暮らし始めてからのストレス」が大きく変わります。契約前に「毎日使うかもしれないもの」を想像して確認しておくと安心です。
● 間取り:自分の暮らしの動線と部屋の使いやすさを考える
次に、間取りと生活動線に目を向けましょう。一人暮らしの定番であるワンルームや1Kでも、居室・キッチン・水回りの配置には差があります。
例えば、キッチンと居室が仕切られていない間取りでは、料理の臭いや煙がそのまま寝室に流れ込みやすく、生活に影響が出ることもあります。
また、ベッドを置いた後のスペース、ソファやデスクを置けるか、テレビや本棚を置く余裕があるかなど、家具を配置した時のイメージも大切です。内見時にはメジャーを持ち、実サイズを確認するのがおすすめです。
● 収納:「しまえる」から「取り出せる」まで意識
最後に、収納スペースの確認を忘れないでください。収納量だけでなく、使いやすさ・配置・容量・奥行き・扉の開閉なども非常に重要です。
例えば、クローゼットが目立つ位置にあるけれど実際に使える奥行きが浅い、扉の開閉が居住空間を圧迫するというケースがあります。物をしまってしまえば「収納あり」と思いがちですが、出し入れがしづらいと結局部屋が散らかる原因になります。
さらに、玄関収納(シューズボックス)の有無も一人暮らしでは大きな違いに。靴や傘、荷物をどうしまうかを想像して、玄関スペースも要チェックです。
● まとめ:自分仕様の住まいを目指して
設備・間取り・収納の三点を意識して物件を選ぶことで、「住み始めてからの違和感」を減らすことができます。
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設備:暮らしを支える基本機能、使いやすさを最優先に。
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間取り:自分の生活シーンを想像し、動線・家具配置を確認。
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収納:しまえるだけでなく、取り出しやすいかまで考える。
これらを踏まえて「自分仕様」の住まいを選べば、初めての一人暮らしでも安心して快適なスタートが切れるはずです。メジャーを持って、実際に体感しながら物件を選んでみましょう。
4. 防音・防犯・周辺の環境という“見えにくい”条件
初めての一人暮らし。住まい選びで最終的に重視されるのは「設備」や「家賃」だけではありません。音や安全性、周辺の環境といった“目に見えにくい”けれど暮らしの安定に直結する条件にも、しっかり目を向けましょう。安心して快適に暮らすために、物件探しの段階でチェックしておきたいポイントを整理します。
● 防音性:毎日の静けさは快適さの源
例えば、隣の部屋から足音や会話が聞こえる、上階の住人の音が響く──こうした“音のストレス”は一人暮らしでも無視できません。賃貸物件で防音性を確認する際には、建物の構造(鉄筋コンクリート造が木造・軽量鉄骨造より有利)や壁・床の厚み、窓サッシの仕様(ペアガラス・二重サッシなど)に注目しましょう。
さらに、角部屋・最上階・1階など“隣接する住戸が少ないポジション”を選ぶことで、音の影響を軽減できるという調査もあります。
内見時には「壁を軽く叩いたときの響き」「窓を閉めたときの静けさ」「隣戸との間の構造」を自ら確認することが、経験を後悔しない住まい選びにつながります。
● 防犯性:帰宅の安心感を支える“夜の視点”
明るさ・人通り・防犯設備などは、夜に帰宅することが想定される一人暮らしだからこそ要チェックです。例えば、建物エントランスにオートロックや防犯カメラがあるか、共用部がきちんと管理されているか、駅やバス停から物件までの道のりに街灯や歩道が整備されているかなど。
また、過去に近隣で犯罪やトラブルがあって“注意喚起の貼り紙”が出ているような物件は、安心度が下がる可能性があります。夜間のチェックを兼ねて、夕方〜夜に実際に足を運び、帰宅時の視線・歩きやすさを体感することが有効です。
● 周辺環境:“騒音”だけでなく“生活音”や“交通音”も影響大
駅近・沿線路近・バス路線豊富など物件選びで魅力的な立地も、音という観点では注意が必要です。幹線道路や線路・交差点・深夜営業施設が近くにあると、思わぬところから音が入ってきます。
また、近所に保育園・学校・病院・消防署・救急車の通り道があると、子どもの声や救急車のサイレンなどが夜間に響くケースも。周辺環境を理解するには、地図だけでなく実際に“時間帯をずらして”現地確認をするのがベストです。
● チェックリスト:内見時に確認したい“見えにくい”条件
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建物構造(RC・木造・軽量鉄骨)と壁・床、窓の仕様
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部屋の位置(角部屋・最上階・1階)と隣戸との間取り
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夜間の帰宅ルートの明るさ・人通り・街灯の有無
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共用部の管理状況(管理会社・共有部の清掃・防犯設備)
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周辺施設・交通量・音源の確認(道路・線路・施設)
新しい暮らしを安心して始めるためには、“見えるもの”だけでなく、“気になりにくい条件”もしっかり検討することが大切です。設備や家賃の条件が整っていても、防音・防犯・周辺環境がマッチしなければ、日々の暮らしに小さなストレスが積み重なってしまいます。一人暮らしだからこそ、帰宅時に「安心」「静か」「快適」と感じられる住まいを探しましょう。
5. 初期費用・契約条件を抑えて失敗しない準備を
初めての一人暮らしを始めるにあたり、「家賃」ばかりに目が行きがちですが、実際には契約時・入居時に必要となる初期費用や契約条件をきちんと把握しておくことが、後悔しない住まい選びにおいて非常に重要です。ここでは、初期費用の典型的な内訳と、契約条件に関するチェックポイントを一般論として整理します。
● 初期費用の相場と内訳を知る
賃貸物件を借りる際の初期費用は、家賃の約4.5~5カ月分がひとつの目安とされています。
主な内訳は以下の通りです:
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敷金(一般的に家賃1カ月分程度)
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礼金(家賃1カ月分が目安)
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仲介手数料(家賃1カ月分が上限とされる)
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前家賃(月初入居なら1カ月分、月中入居なら日割り)
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鍵交換費・火災保険料・保証会社利用料などその他諸費用
例えば、家賃6万円の物件を契約すると、初期費用がおおよそ 30万円前後 になるケースもあるため、「家賃だけで済む」と考えて慌てて契約すると後で資金が足りなくなることもあります。
● 契約条件で抑えておきたいポイント
初期費用の額だけでなく、契約条件もチェックすべき重要な要素です。以下の項目を確認しておくと安心です:
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敷金・礼金の返還・償却条件:敷金が返ってくるまでの条件(原状回復義務の範囲など)を契約書で確認しましょう。礼金は返還されない“謝礼”的な性質があります。
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保証会社の加入条件・更新料:保証会社を必須とする物件では、初期費用+毎年更新料が発生することがあります。
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前家賃・日割り家賃の条件:入居時期によって支払い額が変わるため、月初め入居かどうかを確認。
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敷金・礼金ゼロ物件の注意点:「敷金・礼金ゼロ(ゼロゼロ物件)」は初期費用を抑えられますが、代替費用(クリーニング代・短期解約違約金)などが設定されているケースがあります。
● 初期費用を抑えるための工夫
初期費用を少しでも軽くするためには、以下のような対策が有効です:
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敷金・礼金が少ないまたはゼロの物件を探す。ただし条件をよく確認すること。
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月中入居であれば日割り家賃を活用し、支払い開始日をずらす。
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仲介手数料が家賃1カ月分より少ない物件、あるいはキャンペーンで割引されている物件を探す。
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家賃そのものを少し抑えることで、敷金・礼金・前家賃などの“掛け金”が連動して低くできる。
● まとめ:「準備=安心」の第一歩
一人暮らしを始める際には「家賃のライン」だけで判断せず、契約時に必要な初期費用と契約条件をあらかじめ見通しておくことが重要です。初期費用を抑えつつも条件を読み違えないことで、後から「お金が足りない」「契約条件で困った」という事態を避けられます。物件探しを始める前に、初期費用の目安(家賃の4~5カ月分)を頭に入れ、契約書・見積もりの内容を細かく確認することが、快適な一人暮らしを叶える準備につながります。
最後に・・・
初めての一人暮らしは、不安もありますが、その分「自由」「自立」「新しい出会い」という楽しさもあります。
安心して任せられる・相談できる不動産仲介会社を探すことも、初めてのお部屋探しでは重要なポイントだと思います!
佃不動産(の代表)は、【初めての一人暮らし→就職のための転居→ご結婚による新居探し・不動産購入】と、リピーターになって下さるお客様もいらっしゃいます。
(一番初めの出会いは佃不動産の設立前でだったそうです。)
佃不動産では安心してお部屋探しができるよう、しっかりサポートさせていただきます!
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